今回から、技術士第二次試験 総合技術監理部門の択一式 平成30年度の過去問を見ていきたいと思います。
【解説】
① 5S とは、品質管理活動を実践する際における、現場徹底のための標語の1つで、整理、整頓、清掃、清潔、しつけの頭文字Sをとったものです。【青本P33参照】
異物を除去することを指すのは、清掃 ですね。
※清潔 が 異物を除去すること とは一般常識として違和感ありますね。
② 新QC7つ道具は、主として言語データの分析に用いられます。連関図、系統図、マトリクス図、過程決定計画図(PDPC)、アロー・ダイアグラム、親和図、マトリクスデータ解析の7つですが、アロー・ダイアグラム、マトリクスデータ解析は数値データ解析手法です。7つを覚えていなくても、「主として」というところを押さえていれば誤答と気づけますね。【青本P34参照】
※「・・・は含まれない」といった断定的な否定は不適切であることが多いです。
③ 寸法規格が50±0.3、標準偏差が0.1です。正規分布する場合は下表のとおりですので、
平均値50±標準偏差0.1を満たす製品は7割弱、平均値50±標準偏差0.1×2を満たす製品は95%強、平均値50±標準偏差0.1×3を満たす製品は99.7%となりますので、寸法規格50±0.3を満たさない製品は0.3%(1%以下)となります。下表を覚えていれば正解できますね。※正規分布のグラフは割愛しますが、ネット検索すればすぐに見つかります。
範囲 | 範囲内に指定の数値が現れる確率 |
---|---|
平均値±標準偏差 | 68.3% |
平均値±(標準偏差×2) | 95.4% |
平均値±3×(標準偏差×3) | 99.7% |
④⑤ ISO9001とは、「より良い製品やサービス」をもって、顧客満足度の向上を図るため「品質マネジメントシステム」を実行するための国際規格です。画一化することの必要性を意図していません。また、製品及びサービスに関する要求事項を補完するものであり、規定しているものではありません。
この規格は,次の事項の必要性を示すことを意図したものではない。
− 様々な品質マネジメントシステムの構造を画一化する。
− 文書類をこの規格の箇条の構造と一致させる。
− この規格の特定の用語を組織内で使用する。
この規格で規定する品質マネジメントシステム要求事項は,製品及びサービスに関する要求事項を補完するものである。
ISO9001 本文 (一部抜粋)
※品質マネジメントの構造を画一化するといった表記は一般常識として違和感ありますね。
⇒正答 ③ となります。
正規分布と標準偏差のことが分かっていれば割と簡単に正答できる問題です。
もしこれが分からなくても、一般常識として違和感があるもの(①、②、④)を消去して、③と⑤に絞り込むことができますね。
ただ、⑤は業務等でISO9001に関わっていないと、誤答だと見破ることは難しいように思います。。。