今回は、リーダーシップについて解説させて頂きます。
リーダーシップも、コミュニケーションと同じく、口頭試験で問われる実務能力の1つですが、受験申込書・実務経歴表を作成する時点で理解し、その能力があることを経歴表と業務内容の詳細に示すことができると、合格が近づいてきます。
平成31(2019)年度 技術士試験の概要について https://www.engineer.or.jp/c_topics/005/attached/attach_5698_1.pdf
には以下のとおり書かれております。
リーダーシップ
・業務遂行にあたり,明確なデザインと現場感覚を持ち,多様な関係者の利害等を調整し取りまとめることに努めること。
・海外における業務に携わる際は,多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに,プロジェクト等の事業や業務の遂行に努めること。
修習技術者のための修習ガイドブックー第3版ー(平成27年1月) https://www.engineer.or.jp/c_topics/003/attached/attach_3637_1.pdf
には以下のとおり書かれております。
3.2.8 リーダーシップ
組織のリーダーには、一般的に業務の目的を達成するという大命題が与えられる。 その過程で、組織の関係者に対して発揮される能力がリーダーシップであると言える。 ここではリーダーシップを「組織の中のリーダーが発揮する機能や役割」であると同時に、「業務目標(目的地)へ向かって立ちはだかる障壁を乗越えていく力」と定義する。
リーダーシップについては様々な理論がある。それらに共通しているのは、 リーダーシップとは「目標達成への意志」(目的・目標に向かって進もうという方向性を示す能力)と「協調性への配慮」(周りの関係者との協調性といった組織の維持に関する能力)から構成されていることである。 この 2 つの能力を駆使していく中で気を付けたい点がある。それは、リーダーシップを発揮する相手が人間であるということである。人は機械ではないので、能力の発揮が一定ではない。また、人事異動や転勤などの環境の変化、組織体制の変更など、 環境変化に対応する必要も出てくる。このように一定でない人間に対応することや、 環境変化に対して、上述した 2 つの能力の配分を変えることが必要である。リーダーとしては、自身の置かれた環境状況に応じて、使う能力を変化させるべきである。リーダーシップの 6 つの分類を表-3.6 に示す。
(表-3.6 略)
以上、リーダーシップについて概説した。技術者にとってのリーダーシップは、何も組織の管理者だけに求められるものではない。組織の業務を始めることになった立場から、トップの立場に至るまで、リーダーシップはそれぞれに存在する。 何人かの部下を率いる立場、受発注関係の監督員、新入社員であろうと、与えられた業務の主役は自分自身、リーダーであることに変わりはない。当然、修習技術者においても必要な能力である。 技術者が業務で関わる人は少なくないはずである。「与えられた業務の主人公は自分である」ことを十分認識し、リーダーシップを発揮してもらいたい。
https://www.engineer.or.jp/c_topics/003/attached/attach_3637_1.pdf
受験申込書・業務経歴表を作成する上で大事だと思われる箇所を太字としてみました。
端的にいうと、「自らが主体的に行い、かつ関係者(例:受注者、発注者、利害関係者、協議先等)と協調しながら問題解決・課題遂行を行った業務」であることが、(試験官に)伝わるように書けると良いということです。
業務内容の詳細において、例えば「私は~と考え・・・を実施した」と書くと、主体性=リーダーシップが伝わってきますね。