今回も、技術士第二次試験 総合技術監理部門 択一式H29過去問を見ていきます。
経済性管理 雇用管理からの出題です。
この問題は、(a)「職能資格制度」と(b)「職務等級制度」、(c)「役割等級制度」の説明ですが、(a),(b),(c)がよく理解できていなくても、(a)は(「職能」ということで)日本型、(b)は(「職務」ということで)欧米型と捉えられれば、正答を見つけやすいと思います^-^
この視点で選択肢を見ていきますと、④において、「職能・・・は職務・・・に比べて、年功的処遇が避けられ・・・」というところがおかしいと気づけると思います。
→正答は④となります。
また、この手の問題においては、選択肢同士が矛盾していることがあります。また、不適切なもの=主語である(a),(b)or(c)が入れ替わっているのでは?という視点で選択肢を見ていくと、正答を見つけやすい場合もあります。
選択肢②と④を見てみましょう。
②・・・職務等級制度は、職務の価値を評価・決定し、・・・異動したときや・・・再評価されたときに昇進する。
④・・・職能資格制度は、職務等級制度に比べ、年功的処遇が避けられ・・・
→④を言い換えると、職務等級制度は、年功的処遇であるということになり、②と④が矛盾していることが分かります。
以下に各制度の特徴等をまとめてみました。ご参考までどうぞ。
制度 | 特徴等 |
職能資格制度 |
年功序列や終身雇用を前提とした日本独自の制度。 勤続年数が長ければ、その分、能力も高いと定義づけている。 優秀な人材を長期確保でき、組織の改編を迅速に行える。 人件費が高騰しやすい。若手職員のモチベーションが低下しやすい。評価基準が曖昧。 近年、採用する企業数は減少傾向にある。 |
職務等級制度 |
勤続年数に関係なく職務を基準とした、欧米でよく採用されている制度。 職務に応じて賃金等が定められ、同一労働同一賃金が原則。 人事担当者の負担(職務記述書の作成)が大きい。柔軟な組織改編が困難。 |
役割等級制度 |
求められる役割を基準に、社員を区分・序列化する、日本独自の制度。 職能資格制度と職務等級制度のメリットを集めている。 職務記述書の作成を厳密に求めないことから、人事担当者の負担が軽減。 目標管理をしやすい。
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