現在、令和元年度技術士第二次試験の筆記試験に合格された方々のサポート(個別面談、口頭試験対策セミナー、口頭模試)をさせて頂いているところです。
総合技術監理部門の記述式の再現論文をいくつか見比べているところですが、合格論文と不合格論文の「大きな相違点」が見受けられましたので、今回はそこに触れてみたいと思います。
令和元年度技術士第二次試験 総合技術監理部門 筆記試験問題文はこちら
今回のテーマは、「ヒューマンエラー」でした。設問構成は毎年同じといえます(下図参照)。
端的に言いますと、合格論文と不合格論文の大きな相違点は、
受験者ご自身の実務経験を活かして論文展開されているか否か?
です。
試験官は、
①「総監を理解しているか?」
②「5管理の管理技術を理解し、使いこなせるか?」
③「総監を用いた業務経験を有しているか?」
といった視点(一例)で、受験生の論文を評価していると考えます。
ほとんどの受験生は論文において、①②はまずまず満たしているかも知れませんが、③を示せているケースは多くないように感じます。
ほとんどの合格論文は③がバッチリはまっていて、一読しただけで「これは文句なく合格でしょ!」と感じました。
ヒューマンエラーということで、単純なミスの事例を羅列するだけだと、そもそも総監技術士以前に、一般技術者としての資質が疑われてしまいます。また、5管理の視点をワンパターンで当てはめるだけだと、②③が不足していると評価されてしまいます。
ご自身の業務経験にしっかり落とし込んで、総監技術士の資質能力を持ってしても起こりうる(であろう)ヒューマンエラーを挙げ、それを総監(5管理)の視点で総合的に分析して、その概要や発生原因、(管理間のトレードオフ等の)改善策を述べることが求められます。
よくある相談の一つに、「私の業務経験は、筆記試験になじまないので、専門外の業務内容で書くことにしているのですが・・・」というのがあります。
確かに多少は書きやすいように(=論文展開しやすいように)業務内容を想定することは必要でしょうが、ほぼ全てがフィクションになってしまうと、あなたの業務経験で得た総監能力を発揮することができません。また、試験官も上述の③を評価することができません。
今回残念ながら筆記試験・記述式で不合格になったと思われる方は、ご自身の業務経験を論文の中心にどっしりと据えることを意識・訓練してみてください。
基本的に、あなたの業務経験が筆記試験になじまないことはないはずです。それが本当なら、上述の③「総監を用いた業務経験を有していない」ということになってしまいます。
なかなかうまく行かない場合は、個別相談にも応じますので、気軽にお問い合わせ下さい。