今回は、7年ぶりに択一式から記述式への変更となる、必須科目について書いてみたいと思います。
この変更について、戸惑っている人が多いかと思います。記述には自信があるものの、択一式で涙を飲んできていた人にとってはチャンス到来かも知れません。
日本技術士会HPの平成31(2019)年度 技術士試験の概要について と 平成19年度~平成24年度の必須科目過去問を参考に以下に比較表を作ってみました。
比較してみると、時間が30分短くなること以外は同じかなと思います。30分短くなることは割ときついかも知れませんね。。。
2019年度 | 平成19年度~平成24年度 | |
出題数 | 2問程度 | 2問(うち1問を選択) |
文字数 | 600字×3枚以内 | 600字×3枚以内 |
時間 | 2時間 | 2時間30分 |
出題内容 | 現代社会が抱えている様々な問題について,「技術部門」全般に関わる基礎的なエンジニア リング問題としての観点から,多面的に課題を抽出して,その解決方法を提示し遂行して いくための提案を問う。 |
(過去問からして) 2019年度とほぼ同じ |
概念 |
【専門知識】専門の技術分野の業務に必要で幅広く適用される原理等に関わる汎用的な専門知識 【応用能力】 これまでに習得した知識や経験に基づき,与えられた条件に合わせて,問題や課題を正し く認識し,必要な分析を行い,業務遂行手順や業務上留意すべき点,工夫を要する点等に ついて説明できる能力 【問題解決能力及び課題遂行能力】 社会的なニーズや技術の進歩に伴い,社会や技術における様々な状況から,複合的な問題 や課題を把握し,社会的利益や技術的優位性などの多様な視点からの調査・分析を経て, 問題解決のための課題とその遂行について論理的かつ合理的に説明できる能力 |
(過去問からして) 2019年度とほぼ同じ ※問題と課題の用語定義に違いあり。 |
次に、平成19年度~平成24年度の必須科目過去問のテーマを見てみましょう。
以下の表にまとめてみました。要約すると、「建設分野を取り巻く環境の変化を踏まえた社会資本整備・建設技術のあり方を問う問題」といえます。
必須科目の試験勉強としては、国土交通白書(最新)を斜め読み&精読して、社会資本整備・建設技術に係る現状(=問題)および施策等(問題解決、課題遂行)を大まかに掴み、ご自身で考えることだと思います。
ご自身が担当している業務の視点から見て、考えてみることも有意義です。多様な視点が求められますので、問題を3つ程度挙げ、その課題遂行方策も3つ程度挙げてみるトレーニングをしてみると良いです。
まずはご自身でいろいろと思考してみて、その上で情報収集すると、効果的な勉強になります。
年度 | テーマ(過去問の問題文の主なところを抜粋) |
平成24年度 | 防災・減災に向けた社会基盤の整備 地球環境問題への対応 |
平成23年度 | 今後の社会資本整備 建設産業の活力回復 |
平成22年度 | 社会的状況の変化に対応した防災・減災対策 海外での社会資本整備 |
平成21年度 | 地球温暖化を緩和するための低炭素社会 技術の高度化・細分化 |
平成20年度 | 社会資本の維持管理・アセットマネジメント 公共事業縮小傾向下での建設分野の技術力の維持向上方策 |
平成19年度 | 厳しい財政制約下での地域活性化を図っていくための社会資本整備のあり方 経験豊富な技術者の大量退職を踏まえての技術維持継承方策 |