11/29から令和元年度の口頭試験が始まりました。総監部門以外の受験者の多くは、12月前半が口頭試験日かと思います。
想定問答を作ったり、口頭模試を受けたりして、本番に備えていらっしゃることと思います。
技術者倫理とは何?といわれると、「うーん」と悩んでしまう方もいらっしゃるかも知れませんが、最初に定義等をしっかり押さえておくと楽です。
業務遂行にあたり,公衆の安全,健康及び福利を最優先に考慮した上 で,社会,文化及び環境に対する影響を予見し,地球環境の保全等, 次世代に渡る社会の持続性の確保に努め,技術士としての使命,社会的地位及び職責を自覚し,倫理的に行動すること。
(文部科学省技術士試験部会資料「試験科目別確認項目」より)
緑網掛けのキーワードで端的に答えられると良いですね。
また、倫理の定義も押さえておくと良いです。
人として守り行うべき道。善悪・正邪の判断において普遍的な規準となるもの。道徳。モラル。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
それから、技術士倫理綱領を押さえておきましょう。技術士に求められる3義務2責務をこれと関連づけて、理解しておくと、記憶定着しやすいと思います^-^
例えば、3義務2責務において、
「名称表示の場合の義務は、なぜ必要ですか?」
「信用失墜行為とはどんなことですか?」
「公益確保とはどんなことですか?」
といった質疑が来た際に、この綱領の条文と絡めて解答できるとOKですね。
技術士倫理綱領
技術士倫理綱領(日本技術士会HP)
(公衆の利益の優先)=公益確保の責務
1.技術士は、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮する。
(持続可能性の確保)=公益確保の責務
2.技術士は、地球環境の保全等、将来世代にわたる社会の持続可能性の確保に努める。
(有能性の重視)=名称表示の場合の義務
3.技術士は、自分の力量が及ぶ範囲の業務を行い、確信のない業務には携わらない。
(真実性の確保)=公益確保の責務
4.技術士は、報告、説明又は発表を、客観的でかつ事実に基づいた情報を用いて行う。
(公正かつ誠実な履行)=信用失墜行為の禁止、公益確保の責務
5.技術士は、公正な分析と判断に基づき、託された業務を誠実に履行する。
(秘密の保持)=秘密保持義務
6.技術士は、業務上知り得た秘密を、正当な理由がなく他に漏らしたり、転用したりしない。
(信用の保持)=信用失墜行為の禁止
7.技術士は、品位を保持し、欺瞞的な行為、不当な報酬の授受等、信用を失うような行為をしない。
(相互の協力)
8.技術士は、相互に信頼し、相手の立場を尊重して協力するように努める。
(法規の遵守等)
9.技術士は、業務の対象となる地域の法規を遵守し、文化的価値を尊重する。
(継続研鑚)=資質向上の責務
10.技術士は、常に専門技術の力量並びに技術と社会が接する領域の知識を高めるとともに、人材育成に努める。
では、「技術者倫理を確保していくためにはどのような取り組みが必要ですか?」と問われたらどう答えますか?
→一例としては、仕組み(反倫理事例が置きにくい環境・ルール)、教育(研修、セミナー)、法制度(罰則)です。
他の視点での解答もあると思います。