今回は5つの業務経歴をどう書くか?(5つの業務経歴から)業務内容の詳細をどう選ぶか?について解説したいと思います。
1 受験する部門・科目に合った業務を書く。しかし、受験部門・科目以外の業務も入れて良い。
このことにより、受験部門・科目以外の視点・技術力をも持ち合わせた技術士であることをアピールできます。例えば、20年間道路一筋よりも、道路を中心としつつ河川や土質の経験も3年ほどあることで、河川と調和した道路設計や土質条件を踏まえた道路仮設計画策定など、幅広い業務を行ったというアピールができれば、試験官からの高評価が得られやすいと思います。ただし、受験科目と一致した経験年数が過半or4-7年以上となるようにしてください。
2 業務の正式名称を書く必要はない。試験官がイメージしやすいように、評価しやすいように書く。
具体的には、地域名等の固有名詞を入れることで、試験官は容易に地域特性を掴むことができます。また現場特性や主な問題・課題等も端的に書くことで業務概要をより深く理解してもらうことができます。
3 時系列に業務を挙げていく中で、技術士としての成長プロセスを意識して書く。
口頭試験で「(2-3分で)業務経歴を説明してください」と試験官から指示されることがあります。その際、どう説明するかを現時点で少し意識しながら組み立てていけると良いです。「当初は上司の下で基礎を学び、・・・を身につけ、・・・を経験し、今では技術士にふさわしい業務を行っています」といった感じです。
4 業務内容の詳細はできるだけ最近の業務(4つめ、5つめ)を選ぶと良い。
業務内容の詳細=あなたが受験部門・科目の技術士として(最も)ふさわしい業務を選ぶことを強くオススメします。実務経験が20-30年以上のベテランであれば、1つめや2つめの業務であっても、社会人10年目(以上)の業務という場合もあるでしょうが、実務経験が10年以下で受験するのに、業務内容の詳細が1つめや2つめだと、「入社して間もなく、技術士にふさわしい業務ができたの?」と試験官が疑念をもつ恐れもあります。1つめ~3つめの業務経験を通して、技術士として求められている資質能力を身につけることができた、と説明できると良いかと思います。
5 受験申込書の「専門とする事項」については業務経歴表と業務内容の詳細を仕上げてからor仕上げながら、記入すると良い。
業務経験を棚卸ししているプロセスにおいて、当初思っていた「専門とする事項」と実は異なる表記をした方が良い場合があります。申し分のない業務経歴表を書いたものの、受験する部門・科目および専門とする事項と整合していなければ、不合格(≓失格)となる可能性が高いです。例えば、業務経歴の過半は土質及び基礎なのに、受験科目は道路だと、「建設部門(土質及び基礎)の技術士にはふさわしいかも知れないが、建設部門(道路)の技術士にはふさわしくない業務経歴なので、不合格」と評価されてしまうことになります。時々このようなパターンに陥る人がいます。
それなりに時間をかけて、作成・推敲しながら、ご自身の「作品」を愛情を持って仕上げていってください^-^