4群 化学
次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。ただし、いずれも常温・常圧下であるものとする。
①酢酸は弱酸であり、炭酸の酸性度はそれより弱く、フェノールは炭酸よりも弱酸である。
②水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムは水に溶けて強塩基性を示す。
③炭酸カルシウムに希塩酸を加えると、二酸化炭素を発生する。
④塩化アンモニウムと水酸化カルシウムの混合物を加熱すると、アンモニアを発生する。
⑤塩酸及び酢酸の0.1[mol/L]水溶液は同一のpHを示す。
H30 Ⅰ-4-2
①適切。化学式は、酢酸CH3COOH 炭酸H2CO3 フェノールC6H5OH となります。酸の水溶液には水素イオンが多く存在し、塩基の水溶液には水酸化物イオンのほうが多く存在する。酸性度については(塩酸>)酢酸>炭酸>フェノールとなります。この理由については端的な説明が難しいようです(別の機会に試みてみたいと思います)。
②適切。化学式は、水酸化ナトリウムNaOH 水酸化カリウムKOH 水酸化カルシウムCa(OH)2 水酸化バリウムBa(OH)2 となります。
塩基・・・酸を中和する能力のある化合物,又は水溶液中で 水酸イオン(OH-)を生成する化合物
強塩基・・・水溶液中で水酸イオン(OH-)を多量に解離し、強いアルカリ性を示す物質
→水酸化ナトリウムNaOH 水酸化カリウムKOH 水酸化カルシウムCa(OH)2 水酸化バリウムBa(OH)2 はいずれも水に溶けて、水酸イオン(OH-)を多量に解離します。
③適切。炭酸カルシウムCaCO3 +希塩酸2HCl→塩化カルシウムCaCl2 +二酸化炭素CO2 +水H2O
④適切。 塩化アンモニウム2NH4Cl+水酸化カルシウムCa(OH)2 →塩化カルシウムCaCl2 +水2H2O+アンモニア2NH3
⑤不適切。①~④の確信が持てなくても、塩酸と酢酸のpHが同じではないのでは?というところに気づければ容易に正答可能といえます。