技術士 総合技術監理部門 社会環境管理 外来生物法 過去問解説 ~必須科目(択一式)H30-Ⅰ-1-37

今回も、技術士第二次試験 総合技術監理部門の択一式 平成30年度の過去問を見ていきたいと思います。


平成30年度技術士第二次試験 総合技術監理部門 必須科目(択一式)

社会環境管理 生物多様性 からの出題です。

総合技術監理部門の技術体系(キーワード)についてに「特定外来生物」もリストアップされているので(P24)、押さえていきたいところです。

この問題は一見、どの選択肢も妥当・適切に見えますね。

①②は、特定外来生物の定義

③④⑤は、特定外来生物の取扱ルール

ということで、相互比較すると、③④⑤のほうが①②に比べて、適切なのかなと想像しやすいですね。

①②の相互比較としては、①の「生きている」もの限定で良いのか? VS ②の「細菌類等」も含まれるのか?

というところになると思います。

③④⑤の選択肢を正しいと仮定すると、これらの選択肢は、生きているもの、かつ、人間の目に見えるものを対象としています。ということから、①が適切ではないかとの推測が成り立ちます。

→ということで、最も不適切なのは②=正答となります。

 

以下、ご参考までご紹介します。

外来生物法(環境省HP)

特定外来生物被害防止基本方針 (H26.3 環境省、農林水産省)

特定外来生物被害防止基本方針 抜粋(P4)

1 選定の前提

イ 個体としての識別が容易な大きさ及び形態を有し、特別な機器を使用しなくとも 種類の判別が可能な生物分類群を特定外来生物の選定の対象とし、菌類、細菌類、 ウイルス等の微生物は当分の間対象としない。

 

一見、どれも適切そうに見える場合であっても、少し時間をかけてゆっくり吟味していくと、正答確率を上げていくことが可能ということが分かります。※当然、うまく行かないケースもあります^^; (試験という独特な雰囲気の中、普段と異なる思考回路が生じて、冷静に考えれば分かるところを間違ってしまうことや、洞察力や想像力が鋭すぎてしまって間違ってしまうこと等)

個人的には、この辺りの比較検討能力というのは総監技術士に必要なものだと感じています。

担当しているプロジェクトにおいて、5つの管理の視点からトレードオフを適切に捉え、それが生じているメカニズムを冷静かつ適切に捉えた上で、その改善策を提示するプロセスと似ている気がします^-^

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