技術士 建設部門 都市及び地方計画 平成30年度過去問Ⅱ-1-2 都市交通施策の解説

今回は平成30年度の選択問題Ⅱ-1-2を見ていきます。

 


平成30年度技術士第二次試験問題[建設部門] 9-3都市及び地方計画[選択科目Ⅱ]

 この問題は各施策の概要説明が求められていますので、それぞれの概要をバランス良く(答案用紙1/3ずつ)書いていけば良いです。

 バランスを崩したり、概要以外のことを書きすぎないように気をつけましょう。

 

以下に解答骨子例を示します。国交省HPやネット検索でも解答例を得ることができます。

 

(1)LRT

 Light Rail Transitの略で、次世代軌道系交通システムを指す。低床式車両(LRV)の活用や軌道・電停の改良による乗降の容易性、定時性、速達性、快適性などの面で優れた特徴を有する。近年、道路交通を補完し、人と環境にやさしい公共交通として再評価されている。

 施策効果としては、交通環境負荷の軽減、交通転換による交通円滑化、移動のバリアフリー化、公共交通ネットワークの充実及び魅力ある都市と地域の再生が期待される。

(2)コミュニティサイクル

 自転車を活用した新しい交通手段であり、街中にいくつもの自転車貸出拠点を設置し、利用者がどこでも貸出・返却できる。 現在、官民連携した社会実験が各地で国内実施されている。施策効果としては、CO2排出量の削減・市街地の渋滞緩和等が見込まれる。

(3)トランジットモール

 自家用自動車の通行を制限し、バス、路面電車、LRT、タクシーなどの公共交通機関だけが優先的に通行できる形態の歩車共存道路を指す。施策効果としては、中心市街地の活性化や、安全かつ快適な歩行者空間の創出が挙げられる。

 

都市交通施策のキーワードとして、コミュニティバス、BRT、パークアンドライド、デマンド交通も押さえておきましょう。また各施策の現状・課題も押さえておくと良いです(選択科目Ⅱ-2,Ⅲの勉強にもつながります)。近所や出先で事例があれば、視察してみると理解も深まりますね。

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