技術士 建設部門 都市及び地方計画 平成30年度過去問Ⅱ-1-3 景観の解説

今回は平成30年度の選択問題Ⅱ-1-3を見ていきましょう。


平成30年度技術士第二次試験問題[建設部門] 9-3都市及び地方計画[選択科目Ⅱ]

この問題も、2-1-2と同様、各制度の概要説明が求められていますので、それぞれの概要をバランス良く(答案用紙1/3ずつ)書いていけば良いです。概要=目的や特徴、背景を含めても良いと思います。これらを適度に含めることで、俯瞰的かつ体系的に理解していることを試験官にアピールできますね。

 バランスを崩したり、概要以外のことを書きすぎないように気をつけましょう。

 

以下に解答例を示します。国交省HPやネット検索でも解答例を得ることができます。

(1)景観計画

 景観法に基づき,景観行政団体が定めることができる良好な景観の形成に関する計画。
 景観計画を策定すると,景観計画区域内における建築物の建築等の行為が,届出・勧告により緩やかに規制できるほか,景観重要建造物や景観重要公共施設の指定,景観協定など景観法に規定する制度が活用できる。 

 特徴としては、「良好な景観」が「現在及び将来の国民共通の資産」であることを初めて明示しており、「良好な景観」の形成を推進する各種支援ツールが整備されている。都市以外の農村等も対象であり、地域の実情に応じ,規制内容等を柔軟に定めることが可能となっている。また、住民の積極的な参加を促進している。

(2)地区計画

 建築物の建築形態、公共施設その他の施設の配置等からみて、一体としてそれぞれの区域の特性にふさわしい態様 を備えた良好な環境の各街区を整備、開発及び保全するための計画。

 内容としては、該当する土地の区域を定めるほか、①地区計画の目標、②当該区域の整備、開発及び保全に関する方針、③地区施設(主として街区内の居住者等の利用に供される道路、公園その他の政令で定める施設)及び地区整備計画(建築物等の整備並びに土地の利用に関する計画)などで構成される。

 種類としては、誘導容積型、容積適正配分型、高度利用型、用途別容積型、街並み誘導型等多数ある。

 (3)建築協定

 住宅地としての環境や商店街としての利便を高度に維持増進することなどを目的として、土地所有者等同士が建築物の基準に関する一種の契約を締結するときに、特定行政庁がこれを認可することにより、通常の契約には発生しない第三者効*を契約に付与して、その安定性・永続性を保証し、住民発意による良好な環境のまちづくりを促進しようとする制度。

* 契約当事者以外の第三者が当該契約の目的となっている土地等を取得したときに、当該第三者をも拘束する効力。

 内容としては、その区域内における建築物の「敷地」「位置」「構造」「用途」「形態」「意匠」「建築設備」に関する基準のほか、協定の目的となっている土地の区域、協定の有効期間、協定違反があった場合の措置となる。