技術士 総合技術監理部門 過去問解説 人的資源管理 社員格付制度~必須科目(択一式)H29-1-13

今回も、技術士第二次試験 総合技術監理部門 択一式H29過去問を見ていきます。


平成29年度技術士第二次試験 総合技術監理部門 必須科目(択一式)

経済性管理 雇用管理からの出題です。

この問題は、(a)「職能資格制度」と(b)「職務等級制度」、(c)「役割等級制度」の説明ですが、(a),(b),(c)がよく理解できていなくても、(a)は(「職能」ということで)日本型、(b)は(「職務」ということで)欧米型と捉えられれば、正答を見つけやすいと思います^-^

この視点で選択肢を見ていきますと、④において、「職能・・・は職務・・・に比べて、年功的処遇が避けられ・・・」というところがおかしいと気づけると思います。

→正答は④となります。

 

また、この手の問題においては、選択肢同士が矛盾していることがあります。また、不適切なもの=主語である(a),(b)or(c)が入れ替わっているのでは?という視点で選択肢を見ていくと、正答を見つけやすい場合もあります。

選択肢②と④を見てみましょう。

②・・・職務等級制度は、職務の価値を評価・決定し、・・・異動したときや・・・再評価されたときに昇進する。

④・・・職能資格制度は、職務等級制度に比べ、年功的処遇が避けられ・・・

    →④を言い換えると、職務等級制度は、年功的処遇であるということになり、②と④が矛盾していることが分かります。

 

 

以下に各制度の特徴等をまとめてみました。ご参考までどうぞ。

制度 特徴等
職能資格制度

年功序列や終身雇用を前提とした日本独自の制度。

勤続年数が長ければ、その分、能力も高いと定義づけている。

優秀な人材を長期確保でき、組織の改編を迅速に行える。

人件費が高騰しやすい。若手職員のモチベーションが低下しやすい。評価基準が曖昧。

近年、採用する企業数は減少傾向にある。

職務等級制度

勤続年数に関係なく職務を基準とした、欧米でよく採用されている制度。

職務に応じて賃金等が定められ、同一労働同一賃金が原則。

人事担当者の負担(職務記述書の作成)が大きい。柔軟な組織改編が困難。

役割等級制度

求められる役割を基準に、社員を区分・序列化する、日本独自の制度。

職能資格制度と職務等級制度のメリットを集めている。

職務記述書の作成を厳密に求めないことから、人事担当者の負担が軽減。

目標管理をしやすい。