評価とは?~技術士第二次試験 総監以外の部門~

今回は、技術士として求められる実務能力のうち、「評価」について解説させて頂きます。

評価についても、口頭試験で問われる実務能力の1つですが、受験申込書・実務経歴表を作成する時点で理解し、その能力があることを経歴表と業務内容の詳細に示すことができると良いです。

平成31(2019)年度 技術士試験の概要について

https://www.engineer.or.jp/c_topics/005/attached/attach_5698_1.pdf

には以下のとおり書かれております。

評価

・業務遂行上の各段階における結果,最終的に得られる成果やその波及効果を評価し,次段階や別の 業務の改善に資すること。

修習技術者のための修習ガイドブックー第3版ー(平成27年1月) https://www.engineer.or.jp/c_topics/003/attached/attach_3637_1.pdf
には以下のとおり書かれております。

3.2.3 評価

評価は、対策立案、実施計画書作成、実施結果などにおいて行われる。その際には 目的を明確にし、項目、基準、手順を適切に設定することが重要である。

評価能力とは客観的で妥当性のある評価を総合的に導き出す能力である。

項目は、評価の目的を評価する基本特性値の他に、安全性、信頼性、再現性、環境影響、操作性、保守性、 特許侵害、イニシャルコスト、ランニングコストなど、幅広く設定し、問題がないかを確認する。

基準は、適合(許容)範囲、不適合範囲などを明確に定める。

対策実施前に、複数の対策案を評価し、採否・優先順位を検討する場合には、各項目に重み係数を適切に設定することで、総合的な評価を比較することが可能である。

対策実施後の評価で、満足する効果が確認されれば、標準化を行い同様な問題・課題に対する対策として水平展開を行う。

対策実施後の効果が不十分な場合はその原因を追究し、改善案へとつなげる。

(以下略)


受験申込書・業務経歴表を作成する上で大事だと思われる箇所を太字としてみました。

 

業務内容の詳細(720字)において、例えば、

①業務概要
②自身の役割・立場
③問題抽出
④問題解決のための課題設定
⑤(課題遂行のための)最適な対策案の選定
⑥課題遂行
⑦成果

といった流れで書くとすると、③~⑤のプロセスにおいて対策実施前の評価を行い、⑦において対策実施後の評価を行うことになります。

特に③~⑤のプロセスが行き当たりばったりであったり、思いつきであったりしてはいけません。項目、基準、手順を適切に設定し、客観的かつ妥当性のある評価を行うことが肝要です。

また、⑦成果=業務完了後の評価(フォローアップ)を行うことも重要です。この業務によりどのような成果が得られたのか?を振り返り、良かったこと、悪かったこと(反省点)を水平展開することも大切です。

担当した業務をスタートからゴールまで、リーダーシップ・コミュニケーション能力等を大いに発揮して取り組み、それを評価する能力が技術士に求められているといえますね。

現在取り組まれている業務においても、上述のところを意識して行えれば、技術士としての実務能力・資質能力が更に備わることになりますね。

今回の「評価」については、筆記試験においても重要になると思います。また筆記試験の記事で触れることとします。