今回も、国土交通白書2018 第II部 国土交通行政の動向 国土交通TOPICSを見ていきたいと思います。
12 建設業における働き方改革~長時間労働の是正、給与・社会保険、生産性向上~建設産業が地域の守り手として持続的に役割を果たしていくためには、若者をはじめとする担い手の確保・育成を図るとともに、働き方改革に取り組んでいくことが重要です。国土交通省では、働き方改革をより一層推進するため、平成30年3月に「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定し、以下の3分野における認識を関係者の間で共有しました。
1)長時間労働の是正
週休2日制の導入の後押しや、適正な工期設定を推進します。
こうした取組みを官民一体となって推進し、建設業への入職を促進し、誇りを持って仕事に打ち込めるような環境整備に取り組んでいます。
詳細は第6章第3節9.(2)建設産業の担い手確保・育成を参照
今回のテーマに近いものが、平成20年度、平成23年度の建設部門必須科目で出題されたことがありますが(詳しくはこちら)、上述の施策を踏まえて、多様な視点で回答すると良いです。個人的には出題される確率が高い気がします。
多様な視点(経済面、防災面、環境面等)における持続可能な社会を目指す上で、建設産業が持続可能となることは必要不可欠といえます。
週休2日制については、公務員や大企業では定着して久しいですが、建設業では取組が遅れています。建設業の下請さんたちは日当たり賃金のため、労働日が減るとその分賃金収入が減るため、敬遠されてきている側面もあるようです。
また、工期が厳しいことから、週休1日が定着してしまっているケースも多いです。週休2日制試行工事が年々増加しているところですが、2020年オリンピック・パラリンピックを控え、「週休2日制はオリパラが終わってから」と捉えている受発注者も少なくありません。
週休2日制を導入することで、より多くの人たちが就業しやすくなりますし、休息を十分にとることで作業効率が上がることもあると思います。
また、建設キャリアアップシステムによって、各技術者の経験・能力を見える化し、客観的に評価されることで、「頑張れば認めてもらえる。待遇・収入が向上する」と各技術者がモチベーションを向上できれば、新人もベテランも働き続けやすくなります。
また、建設リカレント教育により、新人もベテランも継続的な学びの場を設けることで、建設産業が進歩発展し続けていくことができます。
ちなみに、リカレントとは、recurrent=繰り返された、再発した(形容詞)という意味です。繰り返し教育と捉えれば良いと思います。
ご自身の職場環境がどのような状況か?どういう改善の余地があるか?を振り返ってみることも、良い筆記試験勉強になると思います。
総監受験の方も、5管理の視点で考えてみると良いですね。