管理間のトレードオフとは何か?③~技術士 総監部門~

今回も、前々回前回に引き続き、管理間のトレードオフについて解説していきたいと思います。

前々回前回も併せてご確認ください。今回は情報管理、安全管理および社会環境管理のトレードオフを紹介したいと思います。

前回同様、各管理の志向(目指す方向性)をまずおさらいしたうえで、ご自身の業務を基に少し考えてみてください。

いかがでしょうか?

以下に一例を示します。

管理① 管理②

管理①と管理②のトレードオフ事例⇒改善・調整策

情報管理 安全管理

プロジェクト現場の安全確保を万全に行おうとすると、取り扱う情報量が多くなったり、煩雑になったりして、情報の伝達・共有のエラーが発生しやすくなる。しかし安全に関する情報の簡略化を図ると、十分な安全確保ができなくなる恐れがある。

情報の活用安全の確保のトレードオフ

⇒総合的かつ俯瞰的な分析を行う。具体的には、情報管理の視点から、プロジェクト現場の現地調査を入念に行い、安全が損なわれるリスクを精査したうえで、リスクマネジメント(リスク評価等)を行う。また人的資源管理の視点から、定期的な現地安全教育の場を設け、安全確保に係る情報の(現場技術員の)理解度を高める。

情報管理 社会環境管理

周辺住民からの振動・粉塵等の苦情が多いプロジェクト現場において、外部環境への負荷を早急に低減しようと応急対応すると、付け焼き刃的な対応しかできず、またすぐに同様の苦情を受けてしまう。しかし、原因究明の情報収集・分析に時間をかけてしまうと、早急な対応ができず、外部環境への負荷がしばらく持続することになってしまう。

情報の活用外部環境負荷低減のトレードオフ

⇒総合的かつ俯瞰的な分析を行う。具体的には、情報管理の視点から、外部環境負荷低減に係る技術情報を収集し、現場対応ガイドラインを策定する。また、人的資源管理の視点から、現場技術員に環境負荷低減やコミュニケーションに関する研修・教育を行い、周辺住民との日常的な(プロジェクト内容に係る)情報提供やコミュニケーションを通して良好な信頼関係を構築する。

安全管理 社会環境管理

プロジェクト現場において、安全性を十分に確保しようとすると近隣の森林伐採や湖沼の埋め立てが必要となり、環境に負荷を与えてしまう。しかし環境負荷を与えないようにすると安全が十分に確保できない。

安全の確保外部環境負荷低減のトレードオフ

⇒総合的かつ俯瞰的な分析を行う。具体的には、情報管理の視点から、環境調査・分析を行い、各種安全策を講じた場合の環境負荷影響度を把握する。また、安全管理の視点から、リスク評価(保有、移転、低減等)を行い、教育訓練、マニュアル作成といったリスク対策を講じる。

 

トレードオフについては、ご自身の業務や生活で例を探してみると良いです。最初は難しく感じるかも知れませんが、いくつか例が見つかり始めると、慣れてきていくつもの例が思いつけるようになると思います。

これまで私が紹介した例以外にもたくさんありますので、楽しみながら考えてみてください。

皆さんのトレードオフに関する頭の体操の一助になれば幸いです^-^

Image by LUM3N from Pixabay