業務内容の詳細をどう書くか?~技術士第二次試験 総監以外の部門~

今回は、受験申込書・業務経歴表において、業務内容の詳細をどう書いていくか?について解説したいと思います。

業務内容の詳細は、口頭試験で用いられることになります。

口頭試験では、

 (1)技術士としての実務能力(コミュニケーション、リーダーシップ、評価、マネジメント)
 (2)技術士としての適格性(技術者倫理、継続研さん)

を評価します。

 業務内容の詳細については、まずは箇条書きからでも良いので、字数を気にせず自由闊達に書いてみると良いです。その上で、主に(1)をアピールしつつ、(2)も若干意識しながら、加筆してみてください。その上で、最終的に720字にまとめていくと良いと思います。

 以下に一例を示します。

見出し(項目)

文章例

ポイント
業務概要

本業務は・・・のため(目的)に・・・を行うものである。

私は・・・(立場・役割)として・・・を担当した。・・・のために(・・・までに)・・・することが求められていた。

マネジメント、評価、コミュニケーション、リーダーシップが必要な業務であることをアピール。

業務の要求事項を明記する。

問題点・課題 しかしながら、(業務内容/現場を精査したところ)・・・といった問題があることが判明した。・・・(解析/分析/再精査等)を行い、私はこの問題を解決するためには・・・をする必要があると考えた(課題設定)。

業務の要求事項→問題→課題→課題遂行方策が論理的に整合しているか十分チェック。

マネジメント、評価、コミュニケーション、リーダーシップを発揮したことを織り込む。

技術者倫理を意識。

課題遂行方策

課題遂行のため、私は以下の提案を行った。

・・・

成果 (以上により)・・・といった成果が得られた。現在は・・・といった状況である。

評価能力があることをアピール。

あくまで一例ですので、ご自身の書きやすいように書いてみると良いです。

このプロセスが、そのまま筆記試験の勉強にもなりますので、ぜひ丹精込めて作り上げてみてください。

業務内容の詳細をうまく仕上げることができれば、口頭試験がかなり楽になります。第三者の目で見てもらうことも大切です。技術士(講師)や同僚、ご家族に見てもらって、率直な感想やアドバイスをもらってください。

ご参考まで、以下に平成31(2019)年度 技術士試験の概要について の能力の定義を抜粋しておきます。

マネジメント

・業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において,品質,コスト,納期及び生産性とリス ク対応に関する要求事項,又は成果物(製品,システム,施設,プロジェクト,サービス等)に係 る要求事項の特性(必要性,機能性,技術的実現性,安全性,経済性等)を満たすことを目的として,人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。

評価

・業務遂行上の各段階における結果,最終的に得られる成果やその波及効果を評価し,次段階や別の業務の改善に資すること。

コミュニケーション

・業務履行上,口頭や文書等の方法を通じて,雇用者,上司や同僚,クライアントやユーザー等多様な関係者との間で,明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。

・海外における業務に携わる際は,一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え,現地の社会的文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。

リーダーシップ

・業務遂行にあたり,明確なデザインと現場感覚を持ち,多様な関係者の利害等を調整し取りまとめることに努めること。

・海外における業務に携わる際は,多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに,プロジェクト等の事業や業務の遂行に努めること。

技術者倫理

・業務遂行にあたり,公衆の安全,健康及び福利を最優先に考慮した上で,社会,文化及び環境に対 する影響を予見し,地球環境の保全等,次世代にわたる社会の持続性の確保に努め,技術士として の使命,社会的地位及び職責を自覚し,倫理的に行動すること。

・業務履行上,関係法令等の制度が求めている事項を遵守すること。

・業務履行上行う決定に際して,自らの業務及び責任の範囲を明確にし,これらの責任を負うこと。


継続研さん

・業務履行上必要な知見を深め,技術を修得し資質向上を図るように,十分な継続研さん(CPD) を行うこと。

平成31(2019)年度 技術士試験の概要について
Image by David Mark from Pixabay