技術士第二次試験の筆記試験では、「課題抽出」が重要であることは多くの受験者が理解されています。しかし、実際の添削を行っていると、課題そのものはそれほど間違っていないにもかかわらず、評価が伸び悩む答案を数多く見かけます。
その大きな原因の一つが、「観点」の選び方です。
例えば、令和7年度建設部門必須科目Ⅰ-2では、「経済成長の実現」を目的として、国際競争力の強化や地域産業の振興に必要な社会資本整備について問われました。
この問題に対して、
・防災・減災対策
・老朽化インフラ対策
・カーボンニュートラル推進
といった課題を挙げる答案を見かけます。
これらはいずれも重要な社会課題です。しかしこのままでは、問題文が求めている「経済成長の実現」というテーマとの関係性が十分ではありません。
採点者が見ているのは、「重要な課題を書けたか」だけではありません。
「問題文が求める観点から適切に課題を抽出できているか」
を確認しています。
同じ問題であれば、例えば、
・物流・産業競争力の観点
・地域活性化・地方創生の観点
・DX・生産性向上の観点
などから課題を抽出した方が、問題文との整合性が高くなります。
また、観点同士が重複していないことも重要です。
技術士試験では、「多面的な観点から」という表現が頻繁に登場します。
これは単に異なる課題を並べることではなく、異なる切り口から問題を分析することを意味しています。
課題抽出に迷った場合は、
①問題文が何を目的としているのか確認する
②その目的達成のために必要な観点を整理する
③各観点から課題を抽出する
という順番で考えると整理しやすくなります。
知識量の差だけで合否が決まる試験ではありません。
問題文の題意を正しく読み取り、適切な観点から課題を抽出できるかどうかが、A評価答案への第一歩です。
ぜひ一度、ご自身の過去の答案を見返し、「課題」だけでなく「観点」についても確認してみてください。意外な改善点が見つかるかもしれません。




