【技術士第二次試験】解決策を並べるだけでは足りない?建設部門Ⅰ-2「設問2」をGIで考える

技術士第二次試験の必須科目Ⅰでは、設問1で複数の課題を抽出した後、設問2で「最も重要と考える技術課題」を1つ選び、その課題に対する複数の解決策を示すことが求められます。

「最重要課題は選べたけれど、その理由をどう説明すればよいのか」
「解決策を3つ書いてみたものの、似たような内容になってしまう」

こうした悩みを持つ受験者も少なくないと思います。

今回のYouTube動画では、建設部門 必須科目Ⅰ-2を取り上げ、グリーンインフラ(GI)を題材として、設問2の考え方を掘り下げています。

設問2は、設問1と切り離して考えない

まず押さえておきたいのは、設問2は単独で存在しているわけではないということです。

設問1で「多面的な観点から3つの技術課題」を抽出し、設問2では、その中から最重要課題を1つ選びます。

つまり、

「課題を抽出する」

「その中から最重要課題を選ぶ」

「なぜ最重要なのかを説明する」

「その課題を解決するための複数の方策を示す」

という一連の流れで考えることが大切です。

設問1と設問2のつながりが弱いと、答案全体の論理も分かりにくくなります。

反対に、設問1で抽出した課題から設問2へ自然に展開できれば、「なぜこの解決策を書くのか」が明確になり、答案の説得力も高めやすくなります。

「なぜ最重要なのか」を明確にする

今回の動画では、設問1で抽出した課題の一例として、次の3つを整理しています。

・防災・減災と自然環境の調和
・生物多様性・自然環境の保全
・地域との共生・持続的な管理

そして設問2では、このうち「自然の多様な機能を活かした流域・地域の防災機能の向上」を最重要課題として展開しています。

ここで大切なのは、単に「重要だから選んだ」としないことです。

例えば、豪雨災害の激甚化に対して地域の安全・安心を確保するという「緊急性」に加え、流域治水とGIを一体化することによって、生物多様性の保全や持続的な地域管理にも効果が波及する、と説明できます。

このように、最重要課題の選定理由を客観的に示しておくと、その後の解決策にもつながりが生まれます。

複数の解決策は「切り口」を変えて考える

設問2で難しいのが「複数の解決策」です。

3つ書いたつもりでも、実質的には同じ対策の言い換えになってしまうことがあります。

動画では、解決策を次の3方向に展開しています。

1.流域治水とGIの一体的実装

河川整備などの従来型インフラとGIを適切に組み合わせます。

例えば、公園、学校、公共施設などに雨庭、緑地、透水性舗装、雨水貯留浸透施設などを配置するとともに、湿地や農地が持つ保水・遊水機能も活用します。

降雨を「貯める・浸透させる」ことで、河川や下水道への負荷を軽減する考え方です。

2.生態系ネットワークを意識した防災空間の多機能化

GIを単なる「緑化」で終わらせないこともポイントです。

河川、水辺、湿地、公園、街路樹などを連続させ、生物の移動経路や生息空間を確保します。

さらに、平常時には親水空間、環境学習、レクリエーションなどに利用し、降雨時には雨水の貯留・遊水空間として機能させることが考えられます。

一つの空間に「防災+生物多様性+地域利用」という複数の機能を持たせるわけです。

3.効果の定量評価と順応的管理

GIは、整備して終わりではありません。

植生や生態系、降雨条件などによって、整備後の性能が変化する可能性があります。

そこで、雨水流出抑制量、浸透量、植生状況、生物種などについてKPIを設定し、センサーやGISなども活用しながら継続的にモニタリングします。

その結果を評価し、必要に応じて植栽、施設配置、維持管理方法などを見直す「順応的管理」につなげます。

このように、

「実装」
「多機能化」
「管理」

と切り口を変えることで、「複数の解決策」が単なるアイデアの羅列ではなくなります。

解決策の「名前」だけで終わらせない

答案を書く際には、解決策の名称だけを書いて終わらせないことも重要です。

「何を実施するのか」
「どの施設・空間を対象とするのか」
「どのような技術を用いるのか」
「どのような効果が期待できるのか」

まで展開してみましょう。

例えば、

「GIを推進する」

だけでは具体性に欠けます。

一方で、

「雨庭、透水性舗装、都市公園、河川空間等を流域単位で配置し、雨水貯留・浸透機能を高めることで、内水氾濫リスクを低減するとともに、生物多様性や景観の向上を図る」

と書けば、実施内容と期待する効果がかなり見えやすくなります。

建設部門の技術者として、具体的な施設、技術、空間、管理方法などをイメージしながら答案を組み立ててみてください。

設問2を「実行計画」として捉えてみる

設問2の「複数の解決策」と聞くと、知っている施策をできるだけ多く思い出そうとしてしまうかもしれません。

しかし、大切なのは施策の数そのものではありません。

最重要課題を明確にしたうえで、

「なぜ、この課題が最重要なのか」
「この課題を解決するには、どのようなアプローチが必要なのか」
「それによって、どのような効果を得るのか」

という流れをつくることが重要です。

設問2を「アイデア列挙」ではなく、最重要課題を解決するための「実行計画」として捉えてみると、答案を組み立てやすくなるでしょう。

今回のYouTube動画では、グリーンインフラを題材に、最重要課題の選定理由から3つの解決策への展開について具体例を交えて解説しています。

設問1で課題は書けたものの、「そこから設問2へどうつなげればよいか分からない」という方は、ぜひ動画とあわせて確認してみてください。

YouTube動画:

また、ご自身の答案を振り返る際には、

「最重要課題を選んだ理由が説明できているか」
「複数の解決策の切り口が分かれているか」
「解決策が具体的な実行内容まで展開されているか」

という視点で読み直してみることをおすすめします。

設問2で組み立てた解決策は、その先の設問3「将来的な懸念事項と対策」にもつながっていきます。

設問ごとに別々の文章を書くのではなく、Ⅰ-2全体を一つのストーリーとして組み立てることを意識してみてください。